ひきたよしあき×類塾 特別講座「親子で考える ことばと未来」第1部~昭和の価値観の崩落と子どもたちの歩む未来~
第1部 昭和の価値観の崩落と子どもたちの歩む未来 ←ココ
第2部 分からないを楽しむ力がこどもを強くする →こちら
第3部 「たくさん失敗談をしよう」子を伸ばす親のあり方 →こちら
毎回、大きな反響を呼んでいる「ひきたよしあき×類塾」特別講座が1月28日、類ビル2階の共創ホールで開催されました。第3回を迎える今回は、初めて保護者を対象にした内容となり、子どもの教育に迷いや悩みを持つ方など多数の保護者が参加。今回から3回に分けてひきた先生のお話の要旨を紹介します。
子どもたちが生きる「今」と未来
この日は午前中に東京で震度4という地震があり、年明けから続く自然災害を受けて、ひきた先生が静かに話し始めます。
「たぶん世の中はこうやって、もう今までの価値観が全部狂ってくるような時代になってきていると思うんです。そんな中でどうやって勉強していくのか、どうやって将来というものを見据えていくのか。きょうは親子で考えるというお話をしようと思います」
テーマは「親子で考える ことばと未来」
未来を考えるためにまず「今」がどういう状況なのか、先生は大学をはじめたくさんの教育現場で指導をしてきた経験やデータをもとに、社会や教育の現状を語っていきます。
昭和型からの脱却。知の構造化、教科を超えた学びへ
志望校に入るためだけに勉強していると、入学した瞬間から何をしていいか分からなくなり、使いものにならなくなってしまう子が五万といること。
東大卒業生の就職先が2007年と2022年では一変し、若者の意識が安定志向から能力志向へと大きく変化したこと。
そのためかつての優良企業への就職を保証していた大学の強みが、今となっては足かせにすらなりつつあること。
「もう本当にいろんなものが崩れています。そこで常々言われているのは、来年2025年で昭和が100年を数えること。昭和の時代にできた価値観ではもう世界から取り残されていくということが、今の政治や経済、そして芸能界、いろんなところで起きているんです」
教育や学校も例外ではありません。
「お父さんやお母さんに学んでほしいこと。自分の学生時代、若いころの価値観で教育や社会を計ることを絶対にやめてほしいということなんです」
では、新しい価値観、新しい学びとはどういうものなのでしょうか。
先生は、再び東大を例に挙げます。同じ大学の中で学部が縦割りになり、偏差値を競うような状況は「昭和型」。それに対し、社会の課題や問題に対して各学部がどう考えるか、何ができるか、学部を超えて集まることができる「知の構造化」の取り組みが進められていると言うのです。
こんなふうに「課題に対してあらゆる学問を統合する、こういう考え方ができるというのが当たり前になっていく」と先生は言います。「だから、子どもたちも1つ1つの教科ではなく、トータルとしてどうやって勉強ができるかというのを見られる時代になっているんです」
シリコンバレーの源泉・スタンフォード大、学生起業家を量産している早大、サブカルチャーという領域を切り開く大阪芸大など、息をつく暇もないほどの勢いで語られるたくさんの大学の「今」
「どれだけ社会を見回す力があるか。もう学歴やエリートの時代ではないということです。学部というもので選ぶのとは全く違うところから、子どもたちの未来が変わって来ているということなんです」
ここまで一気にたどり着いたところで、休憩に入ります。