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類塾
2024.03.04

ひきたよしあき×類塾 特別講座「親子で考える ことばと未来」第3部~「たくさん失敗談をしよう」子を伸ばす親のあり方~

目次

    第1部 昭和の価値観の崩落と子どもたちの歩む未来 →こちら
    第2部 分からないを楽しむ力がこどもを強くする →こちら
    第3部 「たくさん失敗談をしよう」子を伸ばす親のあり方 ←ココ

    特別講座もいよいよ第3部、最後は「君たちはどう生きるか」というお話です。

    目的を持って生きる

    先生がまず触れたのは「目的と目標を正しく掲げよう」ということです。でも、目的と目標はどう違うのでしょうか。先生の経験談がとても分かりやすいものでした。

    「僕は子どものころ、文章で人を笑わせたいと思った」、これが目的です。「するとそのために国語の勉強をしようとか、文系の科目を一生懸命勉強しようとか、大学入るとか目標かできてきた」と先生は言います。小説家になりかったこともあるそうですが、もしそれを目的にしていたら、今のように大学の先生になったり本を出したりできていなかったかも知れません。

    だから「目的はぼんやりしていていい」と先生は言います。その代わり目的までにどんな過程が必要か、今どんな位置にいるのか、目標はシビアに設定していくことが大事だそうです。「ちょっと書いてみよう」と先生。

    「ものづくり」の夢を叶えたお父さんが答えます。「それになるためにどういうことをしたかって考えると、だから算数を学んだり、だから専門書を読んだり、だから関係するもの、電化製品なので電気屋さんに見に行ったりしてきたかなと思いました」

    この答えには、先生も「こういうしゃべり方をすると、経験というものが生きてくる。具体的な話で非常に参考になりますね」とうなずきます。先生が伝えたかったのは、こうしたおとなの話が子どもに与える影響です。

    親の失敗談で子どもが変わる

    「君たちはどう生きるか、この本を読んだ人はいますか」。先生は、多くの子どもたちが「感動した」と出版社に感想を寄せた場面を教えてくれました。それは、引きこもってしまった子どもにお母さんが自分の失敗談をするシーン。「自分の親は失敗談なんてしてくれない」という手紙がたくさん届いたそうなのです。

    お母さんが何でもできていつも強い立場にいると、子どもは常に従う側。子どもがお母さんの失敗談を聞く機会などないものです。

    そんなお母さんが子どもに失敗談や悩み、弱音をこぼしたらどうでしょう。「子どもは子どもなりにアドバイスをしようとする関係ができてくる。そうなったときに子どもがどう成長していくか。『君たちはどう生きるか』ということがよく理解できると思います」と先生は言います。

    そこで、お母さんやお父さんにできること。「たくさん失敗談をしてほしいということですね。そして子どもを100パーセントの人間、12歳なら12歳の100パーセントの人間として話を聞いてほしい。そういう対等に話す関係から、論文を書いたり世の中を見たり社会を考えたりできる力が育ってくるんです」

    いよいよこの親子塾も締めくくりに入ります。

    「勉強というのは、決して机の上でやるだけではないのです。『やばい』ではなく3フレーズを出していくとか、お母さんやお父さんと対等に話す関係があったりだとか、それから目的や目標がしっかりして『この道に本当に進みたいんだな』という気持ちが伝わってきたりすることなんじゃないかと思います」

    こうして講演会は幕を閉じました。しかし、その後も時間の許す限り「もっと質問したい」「感想を話したい」という保護者の方々と話を続けるひきた先生。

    「おもしろかったね」と初めての取り組みに手ごたえを感じていたようでした。


    類塾はこれからも保護者を対象に、現代の学校事情や家庭教育・進路選びのヒントになるイベントを企画していく予定です。どうぞご期待ください。

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